おしっこトラブルについて

昼間のおもらし対策 (日常生活面)

日付:2019年04月18日

1.日常生活で大切なこと(小児科専門医・教授からのアドバイス)

(1)たくさんお水を飲んで、規則正しくトイレにいくことが大切です。

お漏らしを防ぐために水をガマンしすぎると、脱水症の危険が増すだけでなく、膀胱炎や腎盂腎炎などおしっこの感染症の原因となります。

このような感染症を合併すると、おもらしや尿モレがよりひどくなるばかりでなく、治癒も遅れる原因になります。

飲み物は麦茶やお水、イオン飲料などが一般に勧められます。緑茶やウーロン茶、コーヒーやココアなどのカフェインを含むもの、またジュースやコーラなどは糖分を多く含むため、なるべく避けて下さい。

(2)トイレに連れていく回数を増やしましょう。

トイレに行く間隔は、お子さんの膀胱の大きさにより異なってきますが、少なくとも昼間に2時間ごと、6回以上は時間を決めてトイレに行くようにしてください。

お漏らしをするお子さんのなかには、遊びやゲームに夢中になっているとトイレに行きたがらないこともありますが、リビングでのアラームや腕時計で時間を確認して、自分からトイレに行けるようにご家庭でも訓練するよう心がけてください。

(3)トイレでゆっくりと排尿させることも大切です。

おもらしをする子供のなかには、上手におしっこを出し切れないことがあります。また、おしっこの切れが悪いために、パンツをはいた後に尿モレをしてしまう場合もあります。

いずれの場合も、ゆっくりとリラックスして排尿するように習慣づけてください。

特に男の子では、おちんちんをしっかりパンツから出して排尿することも大切です。

ストレスや環境により緊張が強いままトイレに行くと、排尿筋の調節がうまくいかず、たくさんの残尿を残してしまう原因になります。

男の子でも、便座に座って1-2分程度かけて排尿すると良いでしょう。できれば、砂時計などをトイレに置いて、お子さんが時間が分かるように工夫してください。また、残尿が多い子供には二段回の排尿が有効です。これは、いったんおしっこを出し終わった後に、5〜10分経ってから再度トイレにいっておしっこをする方法です。

3.排便習慣をつけること

毎日規則正しく排便をすることは、膀胱への圧迫を取り除き、おもらしや尿モレを治すうえでとても大切です。

おもらしで来院される子供の約30〜60%に頑固な便秘を認めます。特に年長児になると、お母様が子供の便の性状を確認することがほとんどないため、便がとても固かったり、量がすくなかったり、逆にお水のような便が出ていたりすることがあります。

実際に毎日トイレにいって排便をしていても、少量の便しか出ていないため、便秘症と診断される子供もいます。

便秘そのものがおもらしの原因になっていることもありますので、ヨーグルトやヤクルトなどの乳製品を毎日摂取したり、食物繊維を多くとるようなお食事にしたり、日中沢山活動すること、さらに夜遅くの食事を控えることなど、お腹と腸の環境を整えてあげてください。

便秘が原因となっているお漏らしのお子さんは,便秘の改善にしたがって顕著におもらしもなくなりますので,しっかりとした便秘対策が重要です。

ドクタープロフィール

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池田裕一
(教授/昭和大学藤が丘病院 小児科)

3000人以上のおしっこトラブルを抱えた子供達を治療し、20年以上大学病院で子供のおしっこトラブルに関連した診断と治療の開発に情熱を捧げてきた小児科医の目から、正しく偏りなくお届けします。