相談室(Q&A)

おねしょ の相談
中学3年生のおねしょについての相談(病院に行った方が良いですか?)

日付:2022年08月14日

Q:質問

中学3年生の娘のおねしょについて相談します。

小学4年生の終わりくらいまで毎日おねしょをしていました。
1年生の夏休みから病院に通っていましたがよくならず、本人も気持ちが切れてしまって通院をやめてしまったのですが、5年生に進級する直前の3月の終わりくらいに初めておねしょをしない日がありました。
それからおねしょをしない日が増えてきて、5年生が終わるころには週の半分以下は、小学校を卒業する頃には週に1回多くて2回とおねしょの頻度は減っていきました。
そして現在、月に1〜3回程度となりました。おねしょをするときのパターンもわかってきて、水分を多く摂ったことに加えてすごく疲れているときか寝る前のトイレを忘れたときです。
補足ですが、昼間については心配ありません。低学年の頃は頻繁で、小学4年生の夏休み前までは学校の帰り道などでお漏らしして帰ってくることが度々ありましたが、夏休み明けから急に頻度が減ってほとんど失敗することなく今に至ります。
相談したいのは、このまま自然に治るのを待ってもいいのかということです。
おねしょの頻度は減ってきていますが、1か月丸々しなかったことはありません。
冷静に考えて、中3でまだおねしょをしているというのもまずいのかなとも思います。
1回のおねしょの量もかなり多くて、防水シートを敷いても布団が濡れることもあります。ただ、本人が気をつければある程度防げることと病院には行きたがっていないというのもあります。
このまま様子を見ていいのか、なんとか説得して病院に行ったほうがいいのか、教えていただきたいと思います。

A:池田先生の回答

ご質問いただきありがとうございます。
中学校でおねしょをしている方は非常に少ないと考えられている思いますが、日本に限らず世界的にも15歳の子どもの2〜4%はおねしょをしていると報告されています。
娘さんの場合は、月に数日と頻度は低いですが、1ヶ月以上全く成功する月がないことが、やや心配です。
高年齢のおねしょの原因は、夜間の多尿や膀胱の小ささなどではなく、覚醒排尿障害、すなわち就寝中に尿意を感じてトイレに行くことができないことなのです。
この覚醒排尿の機能が育たないと、20歳になっても30歳になってもおねしょが続きます。
現に、自分のクリニックに受診中の最高齢のおねしょの方は45歳です。
覚醒排尿障害の治療には抗コリン薬とアラーム療法の併用が有効なことが分かってきています。
おねしょを成人まで持ち越さないためにも、娘さんをなんとか説得して、高年齢の夜尿症をよく診てくれるクリニックなどに行った方が良いと思います。