相談室(Q&A)

尿のおもらし の相談
小学生、高学年のお漏らしと頻尿

日付:2019年04月13日

Q:質問

小学校5年生の男の子なのですが昼間のおもらしと頻尿で悩んでおります。幼稚園年中になっても昼夜とわず、おもらしをしていたので大きな病院で検査したところ、後部尿道弁と診断され切開手術を受けました。その後夜尿はほとんどといっていいほど改善しました。

ただ昼間のおもらしは治ることがなかったので小学校2年生の時にカテーテルの検査をしたところ尿道弁には異常はなく、膀胱が少し小さいと言われました。MRで脊椎の検査もしましたが問題ありませんでした。おもらしは体が大きくなり膀胱も大きくなればよくなるだろうとの判断でした。

2年くらいデトルシトールというお薬も飲んでみましたがあまり効果が得られなかったので3年前から服用はしていません。現在の状況は学校でももらしているようで帰ってくるとすごく匂いがします。また2時間くらい外で遊んで帰ってくるとすっかり漏らしてしまっているようでズボンが濡れています。

うちでは行きたくなったらすぐにトイレに行かれるのでさほど漏らしていないように感じます。パンツにちょっと出てしまっている感じはあります。ただ回数は多いように思います。午前中は3、4回くらい、午後は多いと6回、それ以上行く事もあるかもしれません。おしっこがしたくなると我慢が出来ない様子もあります。

1年前から病院からも足が遠のいておりました。なかなか昼間のおもらしの悩みを分かっていただけなくて...。うちの子のような患者さんはいらっしゃらないかお聞きしたところ 「あまりいない、どうして昼にもれるのかよくわからない。自分で気を付けて早めにトイレに行くしかない」というお返事でした。

大きくなれば治っていくかと思えばそうでもない、また病院の先生に相談も出来なくとても辛い思いをしています。そんな時にこのHPにめぐり会いました。よろしくお願いします。

A:池田先生の回答

ご質問ありがとうございます。当院では息子さんのように尿漏れで受診されるお子さんが毎週来院していますので、決して珍しくはありません。一般的に後部尿道弁があったお子さんは、尿道狭窄(尿道弁)のため排尿時に強い圧力が生じ、結果として膀胱内部の圧力が高まり、その影響により膀胱の筋肉が厚くなり、膀胱容量が低下していることが良くあります。

膀胱容量が少ないと、頻尿になったり、膀胱充満に気づきにくかったりして、トイレに行けずに漏らしてしまうことがあります。学校では失敗しても、ご家庭で頻繁に声をかければ成功することが多いのも、膀胱容量低下を示すお子さんの特徴と合致しています。

まずは、膀胱容量の測定や、膀胱壁の状態確認、排尿後の残尿の有無などからお漏らしの病因を探っていく必要があります。膀胱が小さくて頻尿や尿漏れが生じていれば、定時水分摂取、定時排尿、排便コントロール、排尿姿勢指導などを行なっていきます。これらの生活指導だけでは良くならない場合は必要なお薬を組み合わせて治療していきます。

まずは、お漏らしをのお子さんを沢山診ている医師や病院を受診し、適切な検査と治療を受けて1日も早い回復がもたらされるように願っています。