相談室(Q&A)

おねしょ尿のおもらし の相談
ADHDの息子さんの尿漏れと夜尿について

日付:2019年04月13日

Q:質問

10歳の息子についての相談です。夜尿は毎日、多い日は二回することもありました。幼児の頃からおしっこ、うんちの両方漏らすことがありました。小学生になり毎日パンツを濡らして帰るようになりました。床が濡れるほどの尿失禁もたまにありました。

小児科でバップフォーなどの薬をためしましたが駄目で、ADHDの疑いもあるので、そのせいでトイレに行くのが遅れるのではないかと言われ、今はADHDと診断されコンサータを服用しています。10歳になり泌尿器科も受診しました。エコーと尿検査をし、残尿はなく、膀胱の厚さが厚いので過活動膀胱と診断され、ウリトスを服用しています。

今年の冬になり、改善されつつあった尿漏れも夜尿も多くなり、学校での尿失禁が増えました。2学期の終業式、2分の1成人式では体育館で皆の前だったので本人もショックを受けていました。我慢せずにすぐにトイレに行くように言っても、次の日授業中に尿失禁してしまい、本人も泣いていたようです。

泌尿器科に受診し相談しましたが、薬を増やすぐらいしかないと言われ、本人が尿意を感じるのが鈍いのではないかと質問すると、これ以上の検査はここではできず、痛みの伴う検査になるのでおすすめしないとの事でした。高学年になり、本人や周りの友達も気になる年頃です。よろしくお願いします。

A:池田先生の回答

ご質問ありがとうございます。幼少期から遺尿も夜尿もあり、泌尿器科で処方されたウリトリスで一旦改善傾向になったのが、終業式や2分の1成人式で失敗してしまって、息子さんもお母様もさぞ残念な思いをされたと存じます。今年の冬は例年になく寒い日が多かったため、過活動性膀胱のお子さんには一層つらい季節だったのだと思います。

バップフォーやウリトリスなどの抗コリン剤は膀胱をリラックスさせる働きがあり、排尿間隔を延長して尿漏れを防ぐ効果があります。しかし小児の過活動性膀胱の治療には薬物治療だけでは上手くいかないことの方が多いです。適切な排尿や排便習慣の獲得や膀胱トレーニング、お子さんのカウンセリング、定期的な排尿機能評価などを組み合わせることによって少しずつ改善に向かっていきます。

特に、お子さんのやる気を引き出し、トイレにいくタイミングを自分でつかむ練習は特に大切だと思います。そのためには、毎日排尿日誌をつけて、適切な水分摂取コントロールと定時排尿を行うことが重要だと考えています。当サイトのおもらしの項目から排尿日誌をダウンロードして、息子さんの1日の経過をつけてみてください。また、排尿日誌を元に担当の先生のご指導を仰ぐことも必要だと思います。