トイレトレーニングを学ぼう!

子育て中のお父さんやお母さんは、いつ頃からお子さんのオムツを外す練習「トイレトレーニング」を始めようと思っていますか?池田先生がトイレトレーニングについて教えます!!
子育て中のお父さんやお母さんは、いつ頃からお子さんのオムツを外す練習「トイレトレーニング」を始めようと思っていますか?池田先生がトイレトレーニングについて教えます!!

(1)トイレトレーニングについて学びましょう

1.専門医が考えるトイレトーニングの開始時期は?

子育て中のお父さんやお母さんは,いつ頃からお子さんのオムツを外す練習「トイレトレーニング」を始めようと思っていますか?
よそのお子さんはいつからトイレトレーニングの練習を始めているかご存知ですか?
日本では正確な統計がありませんが(一般的に2歳半前後といわれています)米国では平均1.7歳でトイレトレーニングを始めていると報告されています。

トイレトーレング終了年齢は男の子が2.8歳,女の子が2.5歳と女の子の方が早くオムツがとれるようです。一方で,トイレトーレングを始めるのが,あまり早すぎると,かえってオムツがとれる年が遅くなるという興味深い研究が報告されています。

かつて、米国の幼児400人を対象にトイレトーレングに関する調査が行われました。この米国での研究では、本格的なトレーニング(1日3回以上トイレに座らせる)を始めた時期が早い子供ほど、昼間おむつを外せるようになる時期が早くなることがわかりました。
しかし、「早ければ早いほど良い」わけではなくて、2歳前から本格的なトレーニングを始めた子供では、トレーニング期間が長くなることが判明しました。
つまり2歳より早くトイレトレーニングを開始しても、最終的におむつを外せるようになる時期は早くならなかったというわけです。

早くトレーニングを開始した子供でも、便秘やトイレに座るのを嫌がるなどのトレーニング上の問題は、ゆっくりトレーニングを開始した子供と変わりませんでした。

以上の結果から,研究グループは「トイレトレーニング」を本格的に始めるのは、2歳を過ぎてからで十分」と結論付けています。もちろん,トイレトーレングの開始時期は,お子さんの個人個人に合わせて開始する必要がありますが,2歳から2歳半前後で始めるのがもっともスムーズにトレーニングできると思います。

2.専門医が考えるトイレトレーニングの終了時期は?

トイレトレーニングを2歳半前後で始めると、多くのお子さんでは3〜6ヶ月間のトレーニング期間を経て3歳前後でオムツがとれるようになります。

3歳半になってもトイレトーニングが完全に終了していないお子さんが40-60%もいるとの報告もあります。欧米の教科書では、4歳を過ぎても、おむつやトレーニングパンツに頼っている場合は、トイレトレーニングの完了が遅れていると定義されています。

お子さん個人個人の発達の程度や性格、トイレトレーニングの開始時期、親や保護者の取り組み方によっても左右されますが、4歳以降も完了していない場合は、なるべく早期に小児科医などに相談することをお勧めします。

トイレトレーニングの遅れの原因はいくつかありますが、大きく分けて、心理発育に関する問題と、体の構造や臓器に原因がある場合の二つに分けられます。しかし、これら心理発育や体の構造に異常がない場合でも、トイレトレーニングが遅れることがあります。

心理発育や体の構造に異常がない場合のトイレトレーニングが進まない最も多い原因としては、お子さんがトイレに行くことや便器に座ることを頑に嫌がること挙げられます。

トイレトレーニングが進まないことに過度に不安になると、ついつい無理矢理トイレに連れていたったり、力ずくで便器に座らせてしまったりすることがあります。そのような経験があると、お子さんはトイレに対しての恐怖体験を持ち、結果としてトイレや便器が大嫌いになってしまいます。

また、お子さんが自らトイレに行く前に、親が保護者が声かけを、しょっちゅう行うことも、トイレに行くのを嫌がる原因となります。

トイレトレーニングはお子さんの社会性発達の重要な第一歩ですから、決して焦らず、怒らず進めてください。3歳半前後まで終わっていなくても、あまり過度に心配しないでください。4歳を超えても完了しない場合は、小児科を受診して、何らかの病気がないか、発育の問題がないかを検査してもらうと良いと思います。

(2)トイレトーニングの正しい始め方は

1.専門医がすすめるトイレトーニング方法は?

過去に多くのトイレトーニングの方法が提唱され実践されてきました。その中には昔から伝わってきた方法、ある人が開発した方法、医療的なアプローチから編み出された方法など多種多様にあります。

どの方法が一番良いかは分かっていませんが、医療的なアプローチとして、米国小児科学会が意見を統一して発表した方法が最良のトレーニング方法の一つだと考えています。このトレーニング法はガイドラインとして英文で発表され(American Academy Pediatrics. Toilet Training. Guidelines for Parents. Elk Grove Village, 3.:American Academy of Pediatrics; 1998)、詳しく述べられていますので、興味の有る方は参考にしてください。

ここでは、上記のガイドラインに加え自分の経験を元に、日本の実情にあった方法を紹介していきます。まずは、トイレトーニングを始める上での注意点を考えましょう。トイレトーニングを進める上で最も大切なことは、

  1. お子さんがトイレトーニングを始める上で十分発育している事
  2. 親の都合だけでトレーニングを開始しないこと
  3. 無理強いしたり、失敗して叱ったりしないこと

上記3点は、トイレトーニングを始める上で必ず守ってください。

特に、トイレトーニングを無理強いしたり、失敗して叱ったりするのを続けると、トイレトーニングの完了が遅れるだけでなく、オムツがとれた後も尿漏れや便漏れを起したり、頻尿の原因となったりして、あとあとまで問題が続く事がありますので、お子さんのペースに合わせながらトレーニングを続けて行くよう心がけてください。

次にトイレトーニングを始める上での発達が出来ているかのチェック項目をみていきましょう。

2.トイレトーニング開始のサインは

トイレトーニングを始めるにあたり、お子さんが発育面でも精神面でも社会面でもある程度成熟していることが必要です。この成熟の条件としては、おまるやトレーニングパンツ、トイレに興味が出てくる事が一番大切なサインです。

次に、トレーニング開始する際の大切なサインを記します。

  1. おまるやトレーニングパンツを使うことに抵抗しない。
  2. ズボンやスカート、パンツを履いたり脱いだり出来る。
  3. “嫌や”とういことを、言葉か態度で示す事が出来る。
  4. 親についてトイレに入る事が出来る。
  5. 親の行動をまねする事が出来る。
  6. “座って”、”歩いて”などの簡単な指示に従うことが出来る。
  7. オムツが濡れていることを伝えられる、きれいなオムツに変えることを欲求する

これらは、トイレトーニングを開始する上で社会的な成熟が完了しているサインですので、開始前に確認してください。

次に身体的発育に大切な要素は

  1. 定期的な排便が認められる。
  2. うんちが出る前に伝えられる。
  3. 2−3時間以上オムツが乾いている時間がある。

さらに、、おしっこに行きたい、うんちをしたいなどを言葉や表情で伝えることが出来る。以上が揃えば、トイレトーニング開始の準備が完了したことのサインです。もちろん、全ての項目を必ず満たす必要がありませんが、身体的な発育サインに関しては必須項目だと思います。他の項目に関しては、トレーニングを開始しながら発育していくこともありますので、全てが揃わない場合はゆっくりと、お子さんのペースに合わせて無理なく始めてみてください。

(3)正しいトイレトーニング方法は

1.専門医がすすめる最初のトイレトーニング

トイレトーニングを始めるにあたり、いくつか準備するものがあります。

最も大切なのは、おまるですね。

動物やアンパンマン、トーマスなどお子さんが好きなキャラクターであれば、お子さんも喜んで座ってくれると思います。それと、トレーニングパンツと脱ぎやすい半ズボンや短いたけのTシャツなども用意すると良いと思います。

これらの準備が出来たら、トレーニングを開始しましょう。

まずは、ご両親や保護者がトイレに行く時に一緒にお子さんも連れて行ってあげましょう。

そして、トイレが安全で安心出来る場所だと言葉や表情で教えてあげてください。

少し恥ずかしいかもしれませんが、おトイレをしている姿を見せるのも効果があります。そして、ご両親のトイレが終わったら、お子さんにトイレを流させてあげてください。

次に、おまるをリビングや寝室などに置いてください。そして、おまるがお子さんの物だと伝えて下さい。おもちゃと同様に、いつでも触ったり、座ったり、動かしたり出来るようにしてあげて下さい。しかし、この時点で無理矢理座らせるのはやめましょう。お子さんがおまるに興味を持って、服を着たままでもおまるに座れるようになったら次のステップに進みます。

次にすることは、オムツや洋服を脱いだ状態でおまるに座る練習をして下さい。そして、オムツをしていない状態でおまるに座る事は楽しい事だと教えてあげて下さい。オムツなしで座る事ができるようになったら、排便後のオムツから、うんちをおまるに移してあげてください。これは、おまるがうんちやおしっこを貯める場所であることを教える大切な儀式です。おまるを便座の上においたら、便をトイレの中に落として、そしてお子さんに流させてあげてください。以上が最初のステップになります。

2.専門医がすすめるトイレトーニングの次のステップ

お子さんが、おまるに座れるようになったり、よろこんでトイレを流すようになったら改めてトイレに行く意味(大切さ)を教えてあげましょう。

トイレで排尿や排便をすることは、心地よく楽しいことを、絵本や人形で伝えてあげると良いと思います。

次に、お子さんが、おしっこやうんちをしたくなったサインを出したら、おまるに座るように促してあげて下さい。

この時点で、2歳前後のお子さんでは、おまるに座る間隔は1時間半から2時間程度だと思われます。次に、おしっこやうんちの時におまるに座るようになれば、座ったままで本を読んだり、お話したりして、リラックスさせてあげてください。しかし、この時点で上手に排尿や排便が出来なくても、がっかりした表情や言葉を投げかけてはいけません。

いったん、排尿前や排便前におまるをに座れるようになれば、次のステップに進んで下さい。

次のステップは、自らすすんでおまるで排尿、排便をする準備です。

お子さんが、おしっこやうんちのサインが出たら、オムツやズボンをおろすのを手伝ってあげましょう。もし、自分でオムツやズボンを脱ぐ事ができたら、とてもほめてあげて下さい。

そして、おまるをお子さんの近くに持って行ってあげて下さい。必要があれば、おまるを使うようにやさしく促してください。

おまるに座って、上手におしっこやうんちが出来たら、ご褒美のシールなどをカレンダーやノートに貼ってあげてください。このステップはお子さんが、自らトイレにいく準備となりますので、時間をたっぷりととって、お子さんのペースで進めて下さい。

オムツやズボンを脱いでおまるに座って、上手に用を足す事が出来るようになれば、オムツ卒業まであと一歩です。

3.専門医がすすめるトイレトーニングの最終ステップ

おしっこやうんちのサインを自分で感じて、おまるで用をたせるようなれば、トイレトーニング終了はすぐにやってきます。今までリビングや寝室においてあったおまるをトイレの中に置いて下さい。トイレが怖くない場所である事を最初のステップで理解したお子さんは、嫌がらずにトイレにいっておまるで用をたすようになります。

次に便座の上に補助いすを置いて、おまるでも補助いすのどちらでも使用出来るようにしてください。おまるをいつも使うようであれば、やさしく補助いすに座るように促してあげて下さい。もし、1回でも補助いすを利用して用を足せたら、いっぱいほめてあげてください。

補助いすを使えるようになれば、オマルをトイレから取り除きましょう。最初は、お子さんは戸惑うかもしれませんが、すぐに補助いすに慣れて、おトイレで排尿、排便が出来るようになると思います。

トイレトーニングが無事に完了した後も、ときどき失敗してしまうことがあると思いますが、決して叱らないでください。どのステップが上手く行かなかったかを振り返り、できればそのステップまで戻って、やり直す事も必要になる場合があります。トイレトレーニングに要する時間は一般的に3-6ヶ月といわれていますが、これもとても個人差がありますので、周りのお子さんと比べてもあまり意味がありません。

ご両親や保護者の方は、お子さんのペースに合わせて、落ち着いてやさしく、協力的にトイレトレーニングをすすめてあげることが肝要です。

(4)トイレトレーニングが上手くいかない原因は

1.心理的、発育が原因となるものは?

トイレトレーニングが進まない原因の一つとして、ADHDや自閉症など(発達障害)発育の遅れがあります。

おしっこが溜まったことを感じて、自らトイレに行き、ズボンや下着をちゃんと脱いで、便器にちゃんと座って、こぼさないように排尿するという一連の行動は、大人にとってもなんでもないことかもしれませんが、発育途中のお子さんにとっては大変複雑で困難な課題です。

特に、言葉の理解や意味を感じ取る能力が遅れている場合には、なんど説明しても上手にトレイに行けないことがあります。

また、このようなお子さんは、おしっこや便がオムツにたっぷり溜まっていても、さらに体についていたりしても、あまり気にならない傾向があります。

特に1歳半検診や3歳時検診などで、発育の遅れを指摘されていたお子さんは特に注意が必要だと思います。お子さんの発達のチェック項目としては、

  1. 年齢相応のことばが出ていない(自閉症スペクトラム)
  2. 呼びかけに振り返らなかったり、大きな音や突然の音に反応しないことがある(ADHD)
  3. 興味関心が狭く、特定のものごとに熱中する傾向がある(自閉症スペクトラム、ADHD)
  4. 変化への抵抗が強く、情緒的に不安定となる(自閉症スペクトラム)
  5. ちょっとしたことへも怯え、不安を示すことがある(自閉症スペクトラム)
  6. 危険なことや場所がわからず、注意を要する(ADHD)
  7. ある特定の物に特別の興味を示し、ずっと見ていたり、持ち歩く(自閉症スペクトラム、ADHD)

これらの項目が見受けられる場合は、トイレトレーニングが遅くなることがあります。しかし、このような傾向が見受けられるお子さんであっても、お子さんの発育にあわせて根気よくトレーニングを続ければ、必ずオムツが外せるようになりますので決してあせらないで下さい。

2.身体の構造や機能に異常がある場合は?

トイレトーニングが上手くいかない原因として、身体の構造や機能に異常がある場合があります。

頻度は比較的少ないですが、見落としてはいけない病気も含まれているので注意が必要です。これらの異常で最も頻度が多いのが、膀胱や尿路に細菌が混入する膀胱炎などの尿路感染症です。特に慢性的に尿路感染症が持続すると、少しの刺激で排尿してしまい、いつもオムツが濡れてしまいます。また、膀胱に貯まったおしっこが腎臓に逆流する膀胱尿管逆流症や、尿管が普通でない場所に開く尿管異所開口などの病気も尿路感染症の原因となりトイレトーニングを遅らせます。次に多い病気は、尿が膀胱にたくさん貯めておけない切迫性尿失禁症(過活動性膀胱)があります。この病気があると、おしっこを我慢出来ず、トイレに行く前に漏らしてしまうことが良くあります。また、何かに夢中になっていたりしても、無意識に漏らしてしまうのも特徴の一つです。

これらの病気が隠れているサインとしては以下のものがあります。

  1. 乳児期より原因不明の発熱を繰り返す。
  2. オムツが乾いている時間がなく、いつもぐっしょりと湿っている。
  3. オムツにおしっこをしても全く気づかず、教えてくれない。
  4. いつもモジモジとおしっこをしたそうにしている。
  5. トイレに連れて行く前に、いつも漏らしてしまう。
  6. 頑固な便秘があり、排便間隔が非常に長い。

これらのサインの一つ、またはいくつかが当てはまる場合は早めに医療期間に相談してください。

尿検査や血液検査、超音波検査などを行えば、ある程度の診断が出来ると思います。さらに、精密検査が必要な場合は専門医への紹介を依頼しましょう。このような病気があっても、正しく診断し治療を行えば、普通のお子さんと同様にオムツを卒業できますので、少々面倒でも病院を受診してください。

3.その他の原因は?

お子さんがトイレに行きたがらない、トイレを怖がるという理由だけでも、トイレトーニングが上手にすすみません。

これら嫌がるや怖がる理由は、身体的な異常や発育の問題と関連しない場合が大半です。トイレに行きたがらない理由は様々ですが、一番多い理由は、トイレに行く意味をよく理解していなことが挙げられます。オムツで過ごしているお子さんにとっては、わざわざおしっこやうんちを伝えて、パンツやオムツをぬいでトイレに行き、漏らさずに便座に座って排尿することはとても面倒に感じます。なんで、こんな面倒なことをしなくてはいけないの? トイレに行っておしっこをすることはどうして大事なの? という疑問があって当然だと思います。トイレトーニングを開始するお子さんにとっては、はじめての社会性の獲得ですから戸惑う要素も沢山あると思います。

さらにトイレを怖がる理由も様々だと思います。

お母さんや保護者の方と一瞬でも離れるのがいや、なんとなく暗いトイレが怖い、便器の中に落ちそう、トイレという空間が怖い、などお子さんにとっては必ずしも心地よく、安心出来る場所ではないことを理解する必要があると思います。

また、排便時や排尿時に痛みがある場合もトイレを怖がります。さらに、トイレに行かないことや便座に座らないことを強く叱ったり、体罰を与えたりすると、より一層トイレや便器を怖がるようになります。このような状況だと、多くのお子さんはトイレを怖がる理由を説明してくれません。

あまりにもトイレを怖がる場合は、排便時や排尿時の痛みの原因となっていることが多いので、便の性状や尿の排泄具合(おしっこがちゃんと前に飛ぶか?など)を確認してみることをお勧めします。