相談室(Q&A)

おねしょ の相談
中学1年生男子の夜尿症が治りません(アラーム療法の効果は?)

日付:2023年09月04日

Q:質問

中学1年生男子の夜尿症が治りません。
小学校2年生頃から最初の病院で投薬治療→医師に見放されたので2件目の病院でアラーム治療を3年生の時にしました。
おねしょしない日が続いたのでアラーム治療を終えたところ、またおねしょが始まり今に至っています。
月に良い時で半月程度成功、悪い時で5回程の成功率です。
最近、大学病院を紹介してもらいかかりましたが体内に異常なし、そちらの先生は薬もアラームも一時は改善するけどまたぶり返して意味がないから成長を待つしかないと言われて途方に暮れています。
オムツも本人が嫌がるのでパンツで寝ていますが毎日濡れてこちらもしんどいです。
夜ご飯を早めに、夜は喉が渇いても水分は極力取らないようにしていても翌朝出ているのでもう12年も続いているので親子とも精神的に参っています。
睡眠がとても深く、濡れていても全く起きない状況です。アラーム治療は身長の伸びが悪くなったのでもうしたくありません。投薬治療に戻るべきなのでしょうか?どうしたら治るのか、本当に治る日が訪れるのかと思っています。
身長の伸びが悪いのも夜尿症と関係していますか?
本人の成長ホルモンの分泌を待つしかないのでしょうか?

A:池田先生の回答

ご質問ありがとうございます。
とても長い時間、夜尿症が持続していることにお悩みのことと思います。
中学校1年生で、週に半分から5日程度の夜尿症は確かに重症の分類に入ります。
高年齢で重症の場合は、アラーム治療か薬物治療かのどちらかでなく、両方を同時に行うことで高い治療効果が期待できます。
薬物治療は抗利尿ホルモン製剤と抗コリン薬の併用が有効なことが各種論文でも報告されているので、アラーム治療を行いつつ、抗利尿ホルモン製剤と抗コリン薬の併用が良いかと思います。
ちなみに、夜尿症のお子さんは眠りが深く、アラームでたとえ起きてもすぐに深睡眠に到達できるので、アラーム療法を行なっていない場合と同等の睡眠効率を示すことを自分たちに研究グループが報告しているので、成長やホルモン分泌には影響しないと考えています。そのため、身長の伸びが悪いことと、夜尿症が治らないことは直接関係していないと思います。