相談室(Q&A)

尿のおもらし頻尿 の相談
小学2年生の男子、尿漏れが治療開始後一旦改善しましたが最近悪化しています。

日付:2023年10月22日

Q:質問

小学2年生の男の子です。
保育園の頃から頻尿で、急に尿意を訴えトイレに走っていく、結局間に合わないなどの症状がありました。
この頃はまだ小さく、遊びに夢中なこともあるからと先生と相談して様子を見ていましたが、私も医療従事者であり、なんとなくOABなのでは?という疑いを胸に、就学後少し経って専門医を受診しました。
そこでやはりOABと診断され、現在抗コリン剤の内服を始めて1年半ぐらいになります。最初の1か月で薬効得られ、ほぼ毎日制服のズボンを濡らしていたのが、3〜4か月後には1週間に1回未満の頻度に落ち着いてきていました。
しかし、2年生に進級してから悪化し、ほぼ、毎日ズボンを濡らす元の状態に戻ってしまいました。
フルタイムで仕事をしている中、制服を毎日洗濯するのが苦痛で、大人用の尿もれパットの薄いものを貼るように促しているのですが、気になるから嫌だと言います。
専門医の先生には、もうできる治療はしているからあとは膀胱の成長を待つしかないと言われ、効きもしない薬を飲み続けています。
治療しているのになぜ、という気待ちがあり、正直納得できません。
ちなみにADHDとASDの中間薄いグレーと言われています。学校ではトラブルなく過ごせているため、そちらの内服はしていませんが、確かに切り替えは苦手です。
学校では休み時間の度にきちんとトイレに行き、それでも授業中行くこともあるそうです。
現行の治療のままで過ごすしかないのでしょうか。ご教示お願いいたします。

A:池田先生の回答

ご質問ありがとうございます。
お子様の症状からは小児過活動膀胱の疑いが強いと考えます。純粋の過活動膀胱のお子様は抗コリン薬治療開始半年〜1年ほどで尿漏れが治癒しますが、発達障害や知的障害などが合併していると、膀胱が大きくなった分、さらにトイレを先延ばしにして、むしろ尿漏れが悪化することをよく経験します。
その場合は、抗コリン薬の種類を変えたり、2剤を併用したり、さらにβ受容体作動薬を追加して治療を強化します。さらに、必要に応じて発達障害のアセスメントを行なって、学校や社会生活の困難感があれば中枢神経刺激薬の併用により尿もれも著明に改善するケースもあります。
もし可能であれば、発達障害と排尿障害の双方に詳しい専門医を受診するのが良いと思います。