相談室(Q&A)

おねしょ の相談
副腎の摘出と夜尿症との関係は?

日付:2019年04月12日

Q:質問

高校3年の娘です。娘は時折今でも「おねしょ」をします。実は娘が生後5か月頃の時に国で実施している、新生児マススクリーニング検査でおしっこの数値の異常が見つかりました。小児がんの一種の神経芽細胞腫と診断されて生後6か月で手術をしました。

その時に片方の副腎を摘出しております。この副腎を摘出することにより「おねしょ」が続くという事例とかって有るのでしょうか?以前にも小学生の頃に小児科で「おねしょ」を治すべく診察した事があったのですがその時はあまり頻度も多くなく、成長に伴いおねしょは治る事があるので様子をみましょう。ということで根本的な治療は先送りにしてきました。

さすがにこの歳(18歳)にもなって、おねしょは本人も親である私達夫婦にとっても何とか治したいと考えております。原因として昔摘出した副腎(片方のみ)の影響でおねしょが続くって事も有るのでしょうか?

A:池田先生の回答

ご質問ありがとうございます。夜尿症は1.夜間の抗利尿ホルモン分泌が低下すること、2.夜間の膀胱容量が減少すること、3.睡眠中の自己覚醒ができないこと、これらのいずれか、もしくはいくつかが重なって夜尿症になります。

当院は大学病院なので、何らかの病気のために副腎を摘出している患者さんや片側の腎臓自体を摘出される方もいらっしゃいますが、夜尿症を認める患者さんは経験したことがありません。そのため、直接的なの影響はないと考えます。

但し、娘さんも成人に近づいているため、成人の夜尿症なども診てくれる医療機関等でご相談された方が良いと思います。