相談室(Q&A)

尿のおもらし の相談
小学4年生、ADHDの息子のおもらしが悪化しています(対処法は?)

日付:2019年04月12日

Q:質問

小学4年生の息子のおもらしが悪化してしまいました。
いつもびっしょりではなく、少し濡らす程度ですが、においがかなりします。年長さんから治療を始め、一昨年、膀胱に貯められる量などを検査しましたが、膀胱の機能としては気になる所見はないとのことでした。

またADHDの診断を1年半前に受けています。現在、ミニリンメルトとストラテラを服用しています。昨年の夏くらいからかなり調子が良かったのですが、3学期終盤に悪化し始め、最近は毎日おもらししています。おもらししてしまうこと自体も心配なのですが、着替えを頑なに拒むことに大変頭を悩ませております。

いつも私がにおいで気づき、着替えを促しますが、嫌がったり、ひどいときは癇癪を起こします。学校のお友達も気づき始めて、いじめが始まりつつありますが、本人は気にも留めません。漏れていることにも気づかず(気づいているのかもしれませんが)、すすんで着替えることもありません。

何かに夢中になっていると、極限まで我慢してもじもじし始めるので、トイレに促しますが、それについても拒否します。感情的にならないようにしていますが、いつもこうなので、正直怒ってしまうこともあります。よくないとわかっているのですが...。

ちなみに夜尿もありますが、こちらについてはかなり改善傾向にあり、月に1度あるかないかという状況です。出てしまったものはしょうがないので、着替えをしてほしいのですが、どうしたらすんなり着替えられるようになるでしょうか。また、おもらしが改善するにはどうしたらよいでしょうか。

A:池田先生の回答

ご質問ありがとうございます。息子さんは日中の尿漏れがひどくなっていますね。一方で夜尿は月に1回程度と減少しているので、膀胱の容量自体は問題なさそうです。

日中の尿漏れは、いままで行った検査などで問題ないようであれば、昼間の精神的な緊張状態が膀胱の緊張にもつながっている可能性があります。すなわち、学校生活での緊張感が、膀胱の筋肉も緊張させ、膀胱が不安定かつ過活動性になっているかもしれません。ADHDや自閉症のお子さんは、小学校高学年になると、勉強や行事についていくことが精一杯になり、学校生活での困り感が顕著になります。

勉強や課題などに最大限に注意を払っても、周囲について行けずに怒られることもよくあると思います。このような状況では、排尿や尿漏れの対処が後回しになっても仕方ない一面もあります。そのため、発達障がいのお子さんには、昼間漏らさないようにお薬などでコントロールしていくことが何よりも大切です。

現在服用しているミニリンメルトは夜尿症の薬ですから、日中の膀胱状態の詳細な診察を通じて、昼間の症状に対しての適切な治療を受けることが必要だと思います。