相談室(Q&A)

尿のおもらし の相談
8歳になる男の子、お薬を止めてからお漏らしが悪化しています。(フランス在住です)

日付:2019年04月12日

Q:質問

3歳からトイレトレーニングを始め、5歳を過ぎる頃からやっとお漏らしがなくなってきたかな?と思うと、またお漏らしをしてしまうというサイクルを繰り返してきました。

寒い季節は必ずといっていいほど、毎日お漏らしの日々でした。

血液検査、レントゲン検査でも異常が認められず、7歳半のときに現地の子供泌尿専門家に相談し、oxybutynine 5mgという、多分抗コリン薬だと推測しますが、これを5ヶ月間、5mgの錠剤を半分に分け、それを一日4回服用しました。服用し始めて、その翌日からお漏らしが一切なくなり、安心していたのですが、5ヶ月目にお薬の量を少しずつ減らしていく段階で、7月後半に服用の回数が一日1回になってから、午後もしくは夜になると少しずつお漏らしをするようになりました。午前中は一切ありません。

おねしょはあったりなかったりですが、あってもほんの少しで、朝気がついて、すぐトイレに行きます。

現在、8月になってから服用は一切しておりませんが、午後から夜にかけ、お漏らしがあり、尿量は少なく、頻度が多くなりました。

本人は、コントロールが効かなくて出ちゃった、と言います。来週、再び専門医との診断がありますが、抗コリン薬が効かない場合の療法、お薬というのはどんなものがありますでしょうか?お漏らしがまったくなくなり、本人もたいへん喜んでいたため、本当に早く治ってほしいと思っております。

A:池田先生の回答

海外からのご質問ありがとうございます。 息子さんの治療に用いられたお薬は、オキシブチニン、日本での商品名はポラキスだと思います。 この薬は過活動膀胱にはとても良く効きます。

一方でポラキスは、古い世代の抗コリン薬ですから、脳内に代謝物が移行しやすい傾向があります。 そのため、減らしながら中止されたのだと思います。抗コリン薬の効果は容量に依存しますので、再度悪化がある場合は、比較的新しいタイプの抗コリン薬(例えばSolifenacinなど) の増量が必要になると思います。

抗コリン薬の内服以外では、オキシブチニンテープ(湿布薬のようなもの)や仙骨部に電気刺激を行う(TENS)などの効果が期待できますので、現地の専門の医師に相談してみてください。